19世紀後半のマネや印象派をはじめ、前衛的な動向の相次ぐ出現に彩られるモダン・アート。その背景には、美術に関わるヒトやモノ、情報の移動や流通が、国家や大陸を越えて活発になされる、いわば美術をめぐる国際化の進展をうかがうことができます。それまでになく多様な影響関係の中に身を置くようになった近代以降の芸術家たちは、自らの芸術の理想とオリジナリティをどのように追求していったのでしょうか。各章ごとにテーマを絞った論考とあわせ、これまで日本では未訳だったアンリ・ミショーがザオ・ウーキーに捧げたテキスト「墨の戯れ」を、作家・フランス文学者の小野正嗣氏が翻訳、オリジナル・テキストとともに収録。
仕様:A4変形/本文164頁/2022年発行